| 抄録 |
中国の国家知識産権局は、中国全土における特許の創造・保護・活用の状況を把握すべく、2008年から中国全土で特許調査を実施してきた。当該調査内容は広範であり、イノベーション、特許の活用、特許の保護、特許の管理、特許のサービスなどの分野に及ぶ。本年に入り、国家知識産権局が中国の特許状況に関する情報を広く発信するため、初めて対外的に「中国特許調査データ報告」の全文を公開した。当該調査の調査範囲は、23の省、直轄市と自治区に及び、アンケートに答えた企業数は、10,057社、大学・研究機関数は、1,123校・機関、個人の発明者数は、967名に上る。当該調査の内容を把握することは、自社の中国知財戦略の立案に携わる知財担当者にとって有益であると考えられ、本稿では、「中国特許調査データ報告」のうち、重要な部分について紹介する。さらに、「中国特許調査データ報告」は中国全国の特許状況に関するマクロレベルの総括的調査であるため、中国各地における特許状況に関する顕著なバラツキを把握することは難しいので、各地のミクロレベルの特許状況についても紹介するために、国家知識産権局が発行した「2015年度 全国特許実力状況報告」の内容も合わせて説明する。 |
