「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 1号 / 66頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 標準必須特許に基づく差止請求の制限に関する各国判断 |
著者 | ライセンス第1委員会第3 小委員会 |
抄録 | 近年、標準必須特許がライセンス交渉や特許侵害訴訟において活用される事例が増えている。特許の活用には、究極的にはその排他権すなわち差止請求権の存在が不可欠であるが、標準必須特許の性質上、それに基づく差止請求が無制限に認められてしまうと、標準化された仕様の普及の妨げになるおそれがある。このため、標準必須特許に基づく差止請求の可否については各国で判断基準が示されている。グローバルにビジネス展開する日本企業にとって、各国の判断基準の傾向を把握することは、自身の標準必須特許の活用及び他者の標準必須特許への対策に有益であると考えられる。これまでの各国の判断基準を整理分析すると、標準必須特許による差止めの制限の理論は、米国が主導しつつ、欧州その他各国が必須特許権者及び実施者それぞれの利益が不当に害されないようにバランスをとりながら、その判断基準は概ね統合の方向に向かっているといえる。 |