「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 1号 / 15頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 均等の予測可能性及び明細書の記載に関する考察─マキサカルシトール事件知財高裁大合議判決から学ぶ─ |
著者 | 寺崎直 |
抄録 | マキサカルシトール事件知財高裁大合議判決(以下、本判決という。)は、原審に続き、医薬品の化学合成方法に係る特許発明について均等が認められた判決である。本判決では、均等の第1要件について、本質的部分とは従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴部分であり、従来技術と比較し、貢献の程度に応じて定めるべきと判示した。また、第5要件については、出願時に当業者が容易に想到し得る他の構成があるということのみでは「特段の事情」に当たるとはいえないとする一方で、他の構成が発明の構成を代替し得るものとして認識していたと明細書等の記載から客観的、外形的にみて認められる場合には、「特段の事情」に当たると判示した。本稿では、これらの要件についての判示内容を考察し、これを踏まえつつ、均等の予測可能性やその留意事項、さらには特許請求の範囲及び明細書の作成について実務的な指針を検討する。 |