「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 1号 / 106頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 22) |
論文名 | (No. 22) [米国]当事者系レビュー(IPR)におけるクレーム解釈 |
著者 | ブライアン・エプスタイン/高橋明雄 |
抄録 | 特許のクレーム解釈は、特許権の侵害判断のみならず有効性判断にも大きな影響を与える。米国では、特許付与後の有効性を争う手段として導入された当事者系レビュー(IPR)の請求件数も増えてきているが、IPRにおけるクレーム解釈基準はUSPTOが制定した規則に基づき、当業者が解釈する明細書に照らし、合理的な範囲で可能な限り広く解釈するBroadest Reasonable Interpretation基準(BRI基準)が用いられている。米国最高裁による2016年6月20日のCuozzo Speed Technologies,LLC v. Lee, Under Secretary of Commerce for Intellectual Property and Director, Patent and Trademark Office判決(以下、最高裁Cuozzo判決)では、IPRにおけるクレーム解釈の基準としてBRI基準を採用することの妥当性を確認した。本稿では、最高裁Cuozzo判決の内容を紹介しつつ、IPRを踏まえた米国特許実務の新たな傾向や注意点について考察する。 |