「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 12号 / 1911頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 31) |
論文名 | (No. 31) [米国]AIAのOn-Sale Barについて判断したCAFC判決 |
著者 | 大塚康徳/坂田恭弘 |
抄録 | On-Sale Bar(販売による不特許事由)とは、法定の基準日よりも前にその実施品が販売された発明について特許を受けられなくなることを規定したものである。On-Sale Barは、秘密裏に行われた販売(秘密販売)を含む広範な態様の販売行為をその適用対象とする米国特有の出願人にとって厳しい規定である。AIAのOn-Sale Barでは、販売により発明が公衆に利用可能になることが要件として追加され、秘密販売は適用対象から除外されたと解釈されていた。しかし、この度、この解釈に影響を与える可能性のあるCAFC判決がでた。本判決では、AIAのOn-Sale Barにおいても販売により発明の詳細が公衆に開示されることは要求されないことが判示された。また、秘密販売は、直接の争点ではなかったが、議論の過程で一部言及されている。そこで本稿では、On-Sale Barの詳細について説明した上で本判決の紹介を行い、その影響について考察する。 |