「知財管理」誌

Vol.67 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 67巻(2017年) / 12号 / 1900頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No. 476)
論文名 (No. 476) 展示会に出展された物品の形態に対する不正競争防止法2条1項3号に基づく法的保護について─スティック形状加湿器事件─
著者 重冨貴光
抄録  スティック形状加湿器事件知財高裁判決は、展示会に出展された未販売の物品の形態に関し、不正競争防止法2条1項3号にいう「商品」に該当するか、保護期間の始期等について争われた不正競争差止等請求控訴事件の判決である。本判決は、展示会に出展された未販売の物品の形態について、(1)対象となる物品が商品としての本来の機能が発揮できるなど販売を可能とする段階に至っており、(2)かような段階に至っていることが外見的に明らかになっているときは不正競争防止法2条1項3号にいう「商品」に該当し、形態模倣の保護期間が開始する旨の注目すべき判断を示した。商品形態の保護を考えるにあたっては、今後、同判決を踏まえつつ、3号による法的保護の可能性(「商品」該当性、保護期間の始期、及び保護期間終期の起算点等)を検討することが肝要である。
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