「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 12号 / 1803頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 査定系審決取消訴訟の進歩性判断の傾向分析 |
著者 | 特許第1 委員会第3 小委員会 |
抄録 | 本稿は、2014年1月1日から2016年12月31日までに判決の出た拒絶査定不服審判の審決取消訴訟に関する進歩性判断について、主に特許庁と裁判所との課題の認定の差異に関して調査結果を報告するものである。調査によれば、特許庁は、引用発明の課題抽出に際して、明細書の記載は参酌しつつも、明細書に明示的に記載されていない事項、例えば、後知恵的な思想を用いて課題を認定し、進歩性の有無を判断する傾向が見られる。一方、裁判所は、引用発明及び周知技術の課題の抽出に際して、明細書に明示的に記載された事項を参酌し、丁寧に比較検討して進歩性の有無を判断する傾向が見られる。 これに対し、無用な提訴を回避する上で、出願人が出願時において明細書に記載すべきである点と、審査、審判の段階において意見書等で主張した方が良い内容について検討した。また、特許庁と裁判所での進歩性判断の乖離を小さくすることについての提言も行った。 |