「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 11号 / 1649頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 欧州特許庁との比較にみる日本国特許庁の審査の質に関する検討 |
著者 | 特許第1 委員会第5 小委員会 |
抄録 | 日本国特許庁は「世界最速・最高品質の特許審査」の実現に向けた取組を行っている。 2023年度までに、権利化までの期間を14ヶ月とする目標を掲げるとともに、2014年に策定された品質ポリシーや品質マニュアルに基づく品質管理の充実を目指した取組を継続している。その結果、近年の特許審査の質に関するユーザー評価調査において、ユーザーの満足度が向上してきており、アンケート結果からは一定の成果は現れてきていることが解る。一方、品質管理のために重要となる審査の質の評価指標は、出願人とのコミュニケーションに重点を置いており、その他の指標は明確に設定されていない。 本稿では、審査の質を評価する定量的な評価指標として、「日本国特許庁で一発特許査定された案件中において、欧州特許庁でX文献が引用され請求項が補正された案件の割合」を見ることにより、近年の審査の質の推移、及びその内容についての検討を行い、ひいては安定した特許権の成立に繋げるべく、日本国特許庁及び出願人に対する提言をまとめた。 |