「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 10号 / 1479頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 審査段階での後出しデータによる記載要件違反の克服 |
著者 | 三國修 |
抄録 | 科学技術論文は一般的に、実験データが蓄積され、研究としてのストーリーがある程度完成した段階で投稿される。一方、科学技術論文とは異なり、特許出願は最低限の実験データが得られた段階、若しくはやむを得ない場合、実験データが無い状態でも行われることが多い。そのため、記載要件(実施可能要件、サポート要件など)に不備があるとして、拒絶理由を受けてしまうこととなる場合がある。科学技術論文の原稿を基に作成された明細書であれば、このようなことは少ないであろうが、特許出願全体の数からいえば、そのようなケースは稀であろう。このような事情に鑑み、本稿では、記載要件に不備があると指摘された特許出願に対し、主に審査段階における、所謂後出しデータを提出することにより、記載要件違反を克服できるかについて、これまでの実例に基づいて検討を行う。 |