「知財管理」誌

Vol.66 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 66巻(2016年) / 6号 / 714頁
論文区分 海外注目判決(No.14)
論文名 (No.14) [米国]診断技術の特許適格性
著者 リチャード D. ケリー/尾上友紀
抄録  米国で特許適格性に関する議論が続く中、医療技術に多大な貢献をもたらした診断技術に係る発明が特許不適格であるとの判断がなされた。Ariosa Diagnostics, Inc. v. Sequenom, Inc.において連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)は、父系遺伝DNAの検出方法及びそれに基づく診断方法に係る請求項が特許不適格との判決を下した。CAFCはMayo最高裁判決の二段階分析の結果、自然現象をクレームするものに過ぎないと結論付けたが、革新的ともいわれた新たな知見に基づく診断技術がなぜ特許不適格と判断される結果に至ったのであろうか。その知見無しには従来実施できなかった技術であるから、公知の方法とは異なる診断方法として特許発明がクレームできたはずである。特許性だけでなく特許適格性を考える上でも重要な点は、発明の特徴を請求項に適切に表現し、クレーム全体として従来技術との差異を明確にするということである。
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