「知財管理」誌

Vol.66 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 66巻(2016年) / 5号 / 573頁
論文区分 海外注目判決(No.13)
論文名 (No.13)[ドイツ]「中間一般化」を伴う補正の判断基準と「逃れられない罠」─ドイツと欧州特許庁における新規事項の判断─
著者 ユルゲンカイザー/長谷川寛
抄録  欧州特許庁では補正による新規事項の判断基準が厳しい。特に日本の実務者にとって気を付けるべき事項は「中間一般化(Intermediate Generalization)」と「逃れられない罠(Inescapable Trap)」である。前者は出願時の明細書等に開示された特徴の組み合わせから一部の特徴のみを抽出する補正を意味し、後者は新規事項によって異議手続または無効手続において特許の取消が確実となってしまう状態を意味する。一方、ドイツではこれまで欧州特許庁よりはかなり緩やかな基準で新規事項の有無が判断されてきた。しかしこの度、ドイツにおける司法の最高機関であるドイツ連邦裁判所(Bundesgerichtshof)がドイツにおける新規事項の判断基準についてこれまでとは異なる方向性を示唆する判決を出した。今回紹介する判決では特にドイツ連邦裁判所による「中間一般化」および「逃れられない罠」に関するこれまでの判例とは異なる見解が注目されている。
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