「知財管理」誌
Vol.66 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 66巻(2016年) / 4号 / 459頁 |
論文区分 | 特集(知財とマネー) |
論文名 | 日本特許侵害訴訟における知財価値評価─寄与率,推定の覆滅を基礎づける要因─ |
著者 | 山口建章/鮫島正洋 |
抄録 | 本稿では、特許侵害訴訟の過去5年間の裁判例を分析した上で、損害賠償の認定額の現状を紹介する。過去の裁判例をみると、侵害者による特許権侵害が認められた事案でも、原告の請求額に対する認容額が大幅に下回る裁判例がみられる。このため特許権者において予測可能性が低く、権利行使の手段として訴訟提起に踏み切れないこともある。特許紛争は主として企業間で起こるが、企業が権利者側と侵害者側のどちらであっても、予測可能性すなわち訴訟コストとリターンの見通しが重要である。本稿では、損害論における推定の覆滅及び寄与率に関して、損害額の増減に影響を及ぼす要因を整理することにより、侵害訴訟における損害額の予測可能性をいくらかでも高めることを目的とする。 |