「知財管理」誌
Vol.66 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 66巻(2016年) / 3号 / 322頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.457) |
論文名 | (No.457) 実用品デザイン(応用美術)の保護範囲(創作部分の抽出の有り様と類否判断について)─TRIPP TRAPP事件─ |
著者 | 三山峻司 |
抄録 | TRIPP TRAPP事件の本件知財高判は、実用品の応用美術の著作物性を肯定するのに慎重であった裁判例の傾向から大きく踏み出した。この舵取りは知財高判第2部かぎりのものか、今後とも果して続く傾向かは、注意深く見守る必要がある。 実用品の応用美術の著作物性を肯定した上で、どの点に個性的な表現の表出があり、抽出した当該部分を被疑表現物と対比し、どのように類否判別するかについて検討課題を本件は残した。この課題は著作物一般に通底する課題であるが、実用品である本ケースにおいて明瞭化して表われた。さらに、実用品の酷似的な表現の模倣に対する法的保護のあり方についても問題を提起している。 実用品デザイン(応用美術)に関する現況の検討課題と対応のあり方を実務的な視点から考えてみたい。 |