「知財管理」誌
Vol.66 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 66巻(2016年) / 1号 / 5頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 米国弁護士から見た特許不実施主体(NPE) |
著者 | ライアン・ゴールドスティン |
抄録 | 自らのビジネスで利用していない、典型的には他者から取得した特許権を積極的に主張す る企業が増加している。これら特許不実施主体(NPE:Non-Practicing Entities)は、特許主張主体 (patent assertion entities)あるいはより批判的にパテント・トロール(patent trolls)と呼ばれる。 ここ20年間、多岐に渡る特許訴訟が増加したが、中でもNPEによる積極的な訴訟提起が急増しており、今日の特許訴訟の多くはNPEによって提起されたものである。報告された調査によると、2012年の提起数は、事業会社2,060件に対し、NPEは2,655件となった1)。また、2014年にNPEにより提起された訴訟件数が2,946件であるのに対して、2015年は上半期で2,026件と、半年で昨年の年間件数に届く勢いである。 本稿では、現在も拡大するこの分野における筆者の経験に基づいて、NPEの定義、またNPEによる訴訟の広範な概要、初期段階の戦略、手続きについて報告する。 |