「知財管理」誌
Vol.66 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 66巻(2016年) / 12号 / 1616頁 |
論文区分 | 資料 |
論文名 | 東南アジアにおける特許審査ハイウェイ試行開始後の現状 |
著者 | 山本芳栄 |
抄録 | 東南アジア諸国で特許審査ハイウェイ(PPH)の試行が開始されて2年から4年が経過し、そろそろ効果が出てくるかと期待されている中、知財局における実情はどうなのかインドネシアを中心に調査を行った。インドネシアにおいては方式部門で多数の包袋が所在不明になっており、提供した資料のほとんどが未だに審査官の手元に届いていないばかりか、むしろPPHを利用しない出願の審査の方が早く進んでいることがわかった。元々これらの国々では他国審査結果を参照するのが常であり、PPH導入によって差別化するには、出願のモニタリングとこまめなフォローアップが必要である。PPHのような審査促進策が導入されると事務作業が増えるが、ファイリングや書類の管理といった基本的な事務が習慣化されていないので、方式部門で作業が滞ってしまう。少なくともインドネシアでは今後1年ぐらいは通常出願の審査の方が早そうである。 |