「知財管理」誌
Vol.65 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 65巻(2015年) / 3号 / 309頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 知財と標準の交錯─ICT分野から始まったパラダイムシフト─ |
著者 | 二又俊文/土井良治 |
抄録 | 標準化の果たす役割が変化している。ICT(情報通信技術)分野を中心に、伝統企業、新興企業が入り乱れて激しいPatent Warsともいえる競争を繰り広げている。そのなかで、標準必須特許(Standard Essential Patent、以下SEP”と略称)1)が、これまでにない制度上、戦略上の注目点となった。SEPをめぐり、知財制度、標準化制度の双方で当初想定されていなかったパラダイムシフトがおき、知財戦略・標準化戦略の統合の重要性が議論されるようになっている。パラダイムシフトはネットワークの相互接続性が求められるICT分野に固有のものなのか、自動車、物流、エネルギーなど他の分野などに拡大しえるものなのか。本論はまずICT分野を中心に知財戦略と標準化戦略とが交錯2)する世界について、知財と標準両面から今日的課題を考察し、さらに「オープン・クローズ戦略」との繋がりについて考察する。 |