「知財管理」誌
Vol.65 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 65巻(2015年) / 11号 / 1569頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No.8) |
論文名 | (No.8) [欧州]国境を越えた消極的確認的訴訟,均等論,出願経過を踏まえたクレームの解釈 |
著者 | クレメンス トビアス シュタインス/マーク デルナウア/マシュー バーケット |
抄録 | 本稿では、抗癌剤「アリムタ」に関する同一の欧州特許の均等侵害判断において、第一審でイギリスとドイツとで解釈が分かれた、アクタビス対イーライリリーの訴訟事件について論評する。本件では、イギリスのイングランド・ウェールズ高等法院は均等侵害を否定し、ドイツのデュッセルドルフ地方裁判所は均等侵害を認めた。その後、ドイツ控訴審のデュッセルドルフ高等裁判所が均等侵害を否定したことに対し、イギリス控訴審の控訴院は逆に均等侵害を認めたため、控訴審においてもイギリスとドイツの均等侵害に関する判断が再び分かれた。各国の裁判所における、均等論や出願経過を踏まえたクレーム解釈、確認訴訟提起の要件および準拠法の考え方といった様々な観点での見解の違いが示された案件であるため、これらについて解説する。 |