「知財管理」誌

Vol.65 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁	65巻(2015年) / 11号 / 1556頁
論文区分	判例と実務シリーズ(No.453)
論文名	(No.453) 感覚的な表現の明瞭性について
著者	大　槻　真紀子
抄録	本件審決取消訴訟では、平成6年改正前特許法下における実施可能要件の判断において、発明の効果を規定する二つの感覚的な表現（「バーニング感」と「軽やか風味」）の明瞭性が問題となった。審決では両方の表現について明瞭性が認められたが、本判決では、二つの感覚的な表現のうち、一方については当業者であれば誰もが分かる感覚であるから、その意味に不明瞭な点はないと判断したが、明細書中に説明や定義がなく、実施例において官能評価も行われていない他方の表現については、意味が不明瞭である以上、その確認が不可能であり、実施可能要件を欠くと判断した。感覚的な表現について明瞭で実施可能要件が認められるために、明細書作成時に気を付けるべき点について検討した。