「知財管理」誌
Vol.65 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 65巻(2015年) / 11号 / 1475頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 裁判例にみるプログラムの著作物の保護範囲の確定手法(その2)(完) |
著者 | 田村善之 |
抄録 | プログラムの著作物性やその保護範囲を決するに際して、裁判例では、創作的な表現がどこにあり、被疑侵害者がそれを再生しているか否かということを問うという伝統的な著作物について用いられている質的な基準ばかりでなく、ソース・コードの行数と、そのなかで酷似しているコードの割合という量的な基準により侵害の成否が決する手法が用いられることがある。本稿は、後者の量的な基準といえども、アイディアと表現の区別という著作権法の原則を具体的な事件に適用するための基準であるという点で前者の質的な基準と変わるところはなく、ただ表現の選択肢がどの程度あるのかということを量的に把握するところに特徴があることを明らかにするとともに、裁判例における侵害の成否の分岐点の相場を探ることを目的とする。 |