「知財管理」誌

Vol.64 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 64巻(2014年) / 9号 / 1360頁
論文区分 論説
論文名 拒絶理由通知における記載要件判断の三極比較─日本を受理官庁としたPCT出願における傾向比較─
著者 特許第1 委員会第2 小委員会
抄録  2012年度の当小委員会では、国際公開されたPCT出願案件を対象として三極におけるFirst Actionの内容を検討し、日米欧三極の特許庁で記載要件違反の判断にどの様な傾向があるのかを調査した。その結果、それぞれの記載要件(サポート要件、明確性要件、実施可能要件)について、日本は欧米と比較して厳しく判断されているという結果が得られた。この結果は、多くの実務者感覚や論説等における意見と合致するものであった。しかしこのときの調査は、膨大な量の国際公開案件を対象としていたため、調査対象を1日の国際公開に限定せざるを得ず、検討案件に偏りが生じていることが懸念された。そこで2013年度は、調査対象を日本国特許庁を受理官庁としたPCT出願に限定し、4ヶ月ごとに4回にわたって同様の調査を行うことで調査期間を長くし、昨年度と同様にFirst Actionにおける記載要件違反の判断動向の調査を行った。その結果、日本では欧米と比べて実施可能要件違反及びサポート要件違反の指摘を受けやすいことが明らかとなった。
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