「知財管理」誌
Vol.64 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 64巻(2014年) / 5号 / 683頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | iPS細胞関連特許と再生医療の実用化 |
著者 | 竹田英樹 |
抄録 | 再生医療は回復不可能な組織や臓器のダメージを治療する方法であるため、夢の医療技術として注目されている。大きな期待から莫大な研究費が投じられ活発に研究が行われており、特許出願も増加している。しかし、事業化されている再生医療製品はまだ少数である。 再生医療に用いられる細胞や生体物質は、生体内にもともと存在するものであり、また、倫理的な問題も大きく、知的財産をどのように保護するかは非常に難しい課題である。しかし、知的財産の適切な保護は、得られた研究成果を速やかに実用化し患者のもとに届けるためには重要である。アベノミクスの成長戦略においても再生医療の発展は重要政策の1つであり、2013年4月には再生医療推進法が成立している。 京都大学の山中教授のiPS細胞に関する特許出願では、iPS細胞自体やiPS細胞製造技術を広くカバーする特許は成立していない。本稿では幹細胞特許の考え方を考察し、iPS細胞を利用した再生医療の実用化に関連した発明の現状について述べる。 |