「知財管理」誌
Vol.64 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 64巻(2014年) / 5号 / 639頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 米国における医療関連発明と特許保護対象適格性─自然法則・自然現象との区別に関する2つの米国最高裁判決─ |
著者 | 井関涼子 |
抄録 | 米国特許法において、「自然法則、自然現象、抽象的アイデア」は保護対象から除外されるという判例法理は、30年以上にわたり確立しているが、最近の2つの米国連邦最高裁判決は、投薬方法関連特許と遺伝子特許について、自然法則に該当する範囲を従来より拡張して解することにより、これらの特許権を無効と判断した。医療関連発明の技術進歩に伴い、将来の研究手段にまで特許による独占が及ぶことを防止する趣旨によるものと解され、そのような目的自体は正当なものと思われる。これらの訴訟の背景には、医療関連特許に特有の公益保護の問題もある。本稿は、これらの判決を分析し、今後の展望を考察する。 |