「知財管理」誌
Vol.63 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 63巻(2013年) / 4号 / 535頁 |
論文区分 | 特集(知財立国10年,成長戦略に寄与するこれからの知財) |
論文名 | 日本型プロパテント戦略における失敗の本質 |
著者 | 荻野誠 |
抄録 | 米国は80年代、日本やアジアからの競争に対抗するため知財権の行使を強化した。しかし、 現在の米国の強さは、90年代、オープン標準化と国際分業の世界を前提にIntel, Qualcomm, SanDisk 等がアジア企業の力を自分の競争優位に取り込む新しい知財ビジネスモデルを構築した戦略の優位性 による。日本のプロパテント戦略は米国に倣ったものであるが、過去の精算の為になされた80年代の 権利行使の法技術的側面が強調され、90年代の米国企業の戦略的側面が十分取り入れられていない。 そこに日本企業の失敗の本質があり、その為今日本企業は苦境にある。日本企業が再生する為にはア ジアと同じ土俵で競争するのではなく、90年代の米国企業が行ったように、アジアの力を自己の競争 力に取り込む戦略的知財ビジネスモデルを構築する必要がある。 |