「知財管理」誌

Vol.63 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 63巻(2013年) / 1号 / 21頁
論文区分 論説
論文名 中国における補正制限の判断基準について(続)
著者 毛 立群
抄録 中国において、明細書補正の内容的制限の審査基準は、“明示に記載した事項以外、当業
者が記載した内容から直接的かつ一義的に確定できる事項”に設けられており、実務では文言通りの
明示的な記載がなければ補正は許されない場合が多い。前稿では、北京市高級人民法院が現行の硬直
な判断基準を一部否定し、“補正によって新たな技術的意義が導入されたか否かを考慮すべき”と判
示した点を紹介し考察を行った1)。その後、本確定判決に対する再審請求が受理され、最高人民法院は、
“導かれる内容が当業者にとって自明なものであれば、当初明細書に記載された内容”と指摘し、原
審より更に緩和的な判断基準を判示した。また、この事件の前後に発生した、補正の可否を焦点とす
る一連の再審事件においても、最高人民法院は立て続けに現行の実務判断基準を批判し、補正を容認
すべきと判断した。本稿はこれら一連の再審事件を紹介し、中国の審査及び裁判実務における新規事
項追加の判断基準を巡る最新の動きを考察する。
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