「知財管理」誌

Vol.63 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 63巻(2013年) / 10号 / 1647頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No.427)
論文名 No.427 補償金請求権における悪意要件について─「二酸化炭素含有粘性組成物」事件─
著者 白木裕一
抄録 出願人は、出願公開後の実施者に対し、実施料相当額の補償金の支払請求を行うことがで
きるが(特許法65条)、この場合、権利行使にあたっては、実施者に対する「警告」、又は、実施者の「悪
意」が要件となる(同条1項)。一般的に、この「悪意」立証については、過失の推定規定(103条)
が適用されず、出願人にとって極めて困難なものと解されているが、本判決は、被告らの「悪意」を
認定した上で、原告の補償金支払請求を認容した。本稿は、本判決の判断内容を検討しつつ「悪意」
の対象となる事実、悪意の存在を推認し得る事情及びこれらに関連する実務上の留意点を中心に考察
を行った。
Copyright (C) Japan Intellectual Property Association All Rights Reserved.