「知財管理」誌
Vol.62 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 62巻(2012年) / 8号 / 1167頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.410) |
論文名 | No.410 進歩性判断のための引用文献としての適格性 |
著者 | 横尾和也 |
抄録 | 原告が名称「牛、鶏、豚の生物の疾病に対して塩化マグネシウムを利用する方法」とする 発明につき特許出願をしたが、拒絶査定を受けたため、これに対する不服の審判請求をするとともに 特許請求の範囲を補正し、合計3度の補正をした後、特許庁から請求不成立の審決を受けたことから、 その取消しを求めた事案である。 原告は、(1)刑事事件において裁判所が引用例について全くのでたらめな内容の本であると判断した こと、(2)原告が引用例の出版に関して相談した大学教授が引用例について全くのでたらめな内容の本 であると判断したこと、(3)引用例が廃刊となったこと、の3つの根拠から、引用例は進歩性判断のた めの引用文献としての適格性を欠く等と主張した。 本件を題材に、特許庁の審査官が進歩性否定の根拠として指摘した引用例に対し、引用文献として の適格性を争って拒絶理由の解消を目指す場合にどのような事実を主張・立証すべきかを検討した。 |