「知財管理」誌
Vol.62 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 62巻(2012年) / 8号 / 1051頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 悪意先駆商標および関連模倣行為の現状と対応 |
著者 | 宮原貴洋 Wang Tingting |
抄録 | 中国での悪意先駆商標の存在は、長きにわたり日系企業による中国事業の障害となってい る。悪意先駆商標の出願・登録には、高額での譲渡を直接的な目的とするものに加え、最近では制度 の隙間を突き、いわゆる模倣品ビジネスの正当性を主張する根拠として使用されるものも増えている。 また、正当な権利者が中国への商標出願を強化したことに伴い、悪意先駆商標の多様化、使用行為の 巧妙化等が進行している。 中国政府は、悪意先駆商標の駆逐を重視しているものの、現行法制度下では、状況を劇的に改善す ることは困難な側面もあるため、対策においては、その手口、関連制度の運用実態等を理解したうえで、 適格な予防・対応措置をとることが求められる。 本稿では、中国で実際に発生している悪意先駆商標問題の典型的な事例を紹介したうえ、対応時の 留意点について言及する。 |