「知財管理」誌
Vol.62 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 62巻(2012年) / 6号 / 821頁 |
論文区分 | 判例研究(続・No. 5) |
論文名 | (続・No. 5) 商品の産地又は品質を表す商標に当たらないが,品質の誤認を生ずるおそれがある商標に当たるとされた事例─エチオピア・コーヒー事件─ |
著者 | 加藤暁子 |
抄録 | 本件は、エチオピア政府が日本国特許庁に商 標出願した標章「SIDAMO」、「YIRGACHEFFE」 及びこれらをカタカナ表記した「シダモ」「イル ガッチェフェ」は、同国内のコーヒーの産地を 表すものであるが、日本国内では専らコーヒー の銘柄・種類名として認識されており、自他商 品識別力を認めることができる、また、同国政 府による品質管理の下に輸出されて我が国で流 通しており、独占使用を認め得るとして、商標 法3条1項3号にいう商品の産地又は品質を普 通に用いられる方法で表示する標章のみからな る商標に該当しないが、エチオピア国のシダモ 地方又はイルガッチェフェ地方で産出されたコ ーヒー豆及びそれを原材料としたコーヒー以外 の商品に関して用いられる場合には、同法4条 1項16号にいう商品の品質の誤認を生ずるおそ れがある商標に当たる、と判断された事例であ る。4判決は標章が異なるのみで他の部分は同 一であり、以下「SIDAMO」について述べる。 本件に関する他の判例評釈に、鷹取政信・判 例時報2099号がある。 |