「知財管理」誌
Vol.62 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 62巻(2012年) / 1号 / 5頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 経済成長のグローバル化をイノベーション経営に取り込む |
著者 | 長岡 貞男 |
抄録 | イノベーションは持続的な経済成長のほぼ唯一の源泉である。新興経済国に見られる経済成長のグローバル化は世界的な市場拡大と研究開発人材の拡大の両面から世界全体の経済成長を加速化する効果を持っている。新興経済国を含めたグローバル市場に参入した企業は自社開発した知識を広く活用できる能力を持つことになり、長期的なイノベーション・パフォーマンスは生産コスト低減や製品改良でも高くなる。イノベーション戦略をグローバルに追求することが重要となっているが、日本企業は生産に占める輸出の割合、発明に占める国際的共同発明の割合から見ても、このようなグローバル経済がもたらす機会を十分に活用していない。技術の新しい用途を発見し技術を育てる経営は日本企業が本来得意であったはずであり、このような技術経営をグローバルに展開することが今求められている。また知識と人材を世界に求め、世界の研究資源を活用した研究開発も求められている。 |