「知財管理」誌
Vol.62 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 62巻(2012年) / 12号 / 1691頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 併用薬発明の試練 |
著者 | 中村敏夫 |
抄録 | 近年、2つの既存医薬化合物を組み合わせた配合薬及び併用薬の開発が活発になされてい る。しかし、2011年11月に欧州連合裁判所判決C-518/101)において、併用薬の承認に基づいた併用薬 特許のSPC申請を、特許が製品を保護していないとの理由で認めないとの判断がなされた。また、 2004年の報告書「医療関連行為の特許保護の在り方について」知的財産戦略本部 医療関連行為の特 許保護の在り方に関する専門調査会2)において併用薬特許の権利範囲に疑問があるとする意見が記載 されている。このように、併用薬発明の保護が不当に損なわれているのではないかと思われた。つい ては、医薬用途発明の成り立ち、併用薬発明のクレーム形式、医薬品の添付文書等に基づいて、併用 薬発明の技術的範囲のあるべき姿について考察を加える。 |