「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 9号 / 1535頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.382) |
論文名 | No.382 小売等役務商標と商品商標の使用の境界 |
著者 | 土生真之 |
抄録 | 録平成19年4月に小売等役務商標制度が導入されたが、従来小売業を保護していた商品商標 と新たに導入された小売等役務商標の境界が不明確であるという問題が存在する。 本件事案は、小売等役務商標制度導入前に登録された商品商標に関する不使用取消事件であるが、 小売業者による商標の使用が商品商標の使用に該当するか否かが争われた。裁判所は、小売業者が店 舗の壁や柱、チラシ、パンフレットに商標を使用する行為は、商標法2条3項8号に当たり、商品商 標の使用に該当すると判断した。しかし、小売等役務商標制度導入後の出願に係る商標登録について も同様の判断が妥当するのかは、未だ明確にはされていない。 本稿では、小売等役務商標と商品商標の境界のあり方について考察するとともに、未だ不確実性を 有する小売等役務商標制度を利用するうえで、リスクを軽減するための実務上の対応について検討する。 |