「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 7号 / 1071頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | シフト補正の禁止に関する実務的側面からみた再考察 |
著者 | 宮前尚祐 |
抄録 | 「シフト補正の禁止」の制度(特許法第17条の2第4項)が施行された平成19年4月1日 から、3年が経過した。その施行日以降に出願されたものの出願審査請求期間が過ぎ、続々とその運 用の下に審査が行われていくこととなる。本稿では、まず、審査基準に規定された「シフト補正の禁 止」に関する審査手順を整理しなおす。筆者なりの視点も含めて、発明の単一性の枠組みに基づくそ の審理構造(類型の区別)をまとめる。他方、欧州特許庁はこの制度を日本より先に導入している。 その状況にもあたってみて、日本では欧州より厳しい運用となりえることを確認しておく。さらに、 上記施行日以降の出願の中で早期に審査を終え、「シフト補正の禁止」の拒絶理由を受け、拒絶査定 に至った事案を調査する。上記の確認及び検討を通じて、これまで言われてきた実務における留意点 を検証し、新たに提案できる事項があればこれを多少なりとも抽出することが本稿の目的である。 |