「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 6号 / 949頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.377) |
論文名 | No.377 並行輸入と商標権侵害――並行輸入の抗弁における「同一人性の要件」及び「品質管理性の要件」―― |
著者 | 廣田美穂 |
抄録 | 本稿で取り上げる事件では、外国商標権者の子会社が製造した商品を輸入する被告の行為 が、商標権侵害に該当するか否かが争われた。 商標が付された商品の輸入行為につき、真正商品の並行輸入として違法性が阻却されるためには、 「輸入商品の真正商品性の要件」、「同一人性の要件」及び「品質管理性の要件」の3要件の具備が必 要とされている。これら3要件の該当性の基準に関する解釈は、経済政策等に影響され、個々の事案 等によっても変化し得るため、今後の動向を正確に予測することは容易でない。しかしながら、過去 の判決でどのような場合にどのような解釈がなされたかを知れば、今後の対策への手掛かりになる。 そこで、本稿では、本判決で詳細に検討された「同一人性の要件」及び「品質管理性の要件」につ き、本判決を題材としつつ、過去の判決を取り上げながら、本誌の趣旨に鑑み、正規ルートサイドの 者が留意すべき事項について検討する。 |