「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 6号 / 881頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 特許権をめぐる国際私法上の問題 |
著者 | 道垣内 正人 |
抄録 | 経済・社会のグローバル化に伴い、特許権に関しても国際私法上の問題が実務上頻繁に生 ずるようになっている。競争関係にある日本の会社が外国で外国特許権の侵害をしていることを理由 に、日本の裁判所に提訴して差止めや損害賠償を求めることができるのか、複数の国の特許権を対象 としてライセンス契約を締結する場合、契約の準拠法と特許権自体の準拠法はどのように関係するの か、日本の特許法を適用する場合、国際的な事案であっても条文をそのまま当てはめてよいのか否か 等の問題である。発明は眼に見えず、また特許権には行政処分的な性格もあるところ、特許権の国際 私法上の扱いをめぐっては判例も学説も錯綜しているように思われる。本稿は、国際私法の基礎的な 考え方を踏まえて、問題の所在を明らかにし、適切な実務的対応のための理論的基礎を提供すること を目的とするものである。 |