「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 4号 / 511頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 米国再審査制度について――米国版ダブルトラック活用の途―― |
著者 | 小西 恵 |
抄録 | 米国再審査制度は、第三者にとっては特許を無効にする手段として、また特許権者にとっ ては特許を強化する手段として機能する。高額かつ長期間を要する特許訴訟の代替手段として、1980 年に査定系再審査制度が、1999年に当事者系再審査制度がそれぞれ創設され、殊に成立した特許の無 効を争うフォーラムとしては、米国においても、連邦裁判所と米国特許商標庁とのダブルトラックが 存在する現状となった。従前は十分な利用実績がなかったが、近年再審査請求件数は急増しており、 KSR最高裁判決後に、自明性判断基準がより厳格化されたことで、安価な再審査制度を利用する意義 は高まっている。本稿では、米国再審査制度を概観した上で、第三者が特許無効を意図する場合の再 審査と訴訟との比較、特許権者が特許強化を意図する場合の再審査と再発行との比較を試み、訴訟と 同時係属する場合の考慮点に言及する。 |