「知財管理」誌

Vol.60 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 60巻(2010年) / 3号 / 375頁
論文区分 特集(知的創造サイクルの実現に向けて)
論文名 イノベーションのための特許情報の活用
著者 鶴見 隆, 近藤真吾, 楠浦崇央
抄録 知的財産管理の要諦は特許情報にあるといって過言ではないが、プロパテントからプロイ
ノベーションへとシフトしつつある競争環境の中で、特許情報の果たすべき役割はさらに大きくなっ
た。2004年に発表されたパルサミーノ・レポートの中でも、特許情報がイノベーションを加速する巨
大な可能性を秘めていることを指摘している。イノベーションは、プロダクト・イノベーションとビ
ジネスモデル・イノベーションを含む概念であるが、その両面において日本企業が特許情報を十分に
使いこなしているとは言いがたい。その弊害が、国際標準化問題あるいはパテントトロール問題にお
いても認められる。プロイノベーション時代の特許情報活動は、系統性・体系性・網羅性の原則の下
に、戦略的に推進することが肝要であるが、その実行のためには研究者、知的財産担当者、情報担当
者に対する十分な訓練が必要である。本稿では、その参考として、筆者等が過去に実施したいくつか
の演習事例を提示した。
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