「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 2号 / 225頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 中国における特許請求の範囲の補正に関する近時の裁判動向――日本の実務との比較も踏まえて―― |
著者 | 中本安利 |
抄録 | 中国では、2006年の審査指南1)の改正によって、明細書の補正要件についての審査指南の 明確化が図られた。同審査指南は、従来に比べると詳細・明確であり、一見すると日本の審査基準と も類似している。しかし、実際の中国特許庁では、特に出願後の補正の場面において、日本の特許庁 の運用よりも厳格な運用がなされている。また、出願後の補正が新規事項を追加するものであるとし て違法と判断した北京市高級人民法院の裁判例も数多く存在する。そこで、本稿では、2006年の審査 指南の改正を概観した上で、近時の中国特許庁復審委員会2)の審決及び審決取消訴訟に関する裁判例 の内容を考察し、日本における運用とも比較しつつ、実務上の留意点を整理する。 |