「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 2号 / 213頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 著作権登録の実務的研究――登録制度は使えるのか/どう使うべきか/どう改善すべきか―― |
著者 | 福井健策、北澤尚登 |
抄録 | コンテンツ取引が活発化する中、取引の安全性を高めるために、著作権に関する登録制度 は有力な手段となり得る。しかし、日本の現行登録制度の利便性は、必ずしも十分とは言い難い。現 行制度の下でも、作品登録に代わる第一発行年月日・第一公表年月日の登録、ライセンス登録に代わ る一部譲渡の登録といった便宜上の工夫は可能であるが、それには限界があり、やはり登録制度の改 善が望まれる。 具体的な改善策としては、まず、現行制度にない登録の種類として、作品登録(創作の登録)およ びライセンスの登録を新設することが考えられる。特にライセンスの登録は、ライセンシー保護法制 の一環として実務上の必要性が高く、メリットも大きいと思われる。 また、登録の利便性向上の方策として、登録申請単位の柔軟化・オンライン検索の充実・オンライ ン申請の環境整備により、申請および検索に係る金銭的・事務的コストの軽減を図ることも検討に値 する。 |