「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 2号 / 203頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 仮想世界と知的財産に関する諸問題を検討するフレームワークの提案 |
著者 | 杉光一成、市村直也 |
抄録 | 仮想世界を巡る法的な側面の研究は未だ十分ではないが、最近の仮想世界では、ユーザー に仮想世界内での「仮想商品」やユーザーの分身としての「アバター」などの「創作」を認め、更に、 ユーザーの創作によって発生した知的財産権の帰属をユーザーに認めるものが出現してきている。 「仮想商品」の商取引も存在し、米国では、あるユーザーが別のユーザーが創作した「仮想商品」を 無断複製して販売し、著作権侵害訴訟に至ったケースも出現している。このように、新しい仮想世界 では、ゲームメーカーが全ての事象を管理していた従来の「ゲーム」では想定されていなかった新た な法律上の問題を生み出している。本稿では、このような「仮想世界」を「ゲーム」とは異なる異質 のものとして定義づけるとともに、争点を整理するためのユニークな検討フレームワークを提案する ものであり、更にその検討フレームワークに基づいて海外における研究の到達点を整理した。 |