「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 1号 / 43頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | ドイツにおけるオランザピン判決――デュアル・トラック制についての考察―― |
著者 | トーステン・バウシュ |
抄録 | 本報では、特許権者であるイーライ・リリー社と20社を超えるジェネリック医薬品会社と の間で、ドイツで争われてきた関心の高い事件(オランザピン事件)を取り上げて、ドイツのデュア ル・トラック制を考察する。この事件では、連邦特許裁判所の判断が誤っていると思われる場合にお いて、侵害裁判所が、その判断を「後知恵で論難する」又は「修正する」ことがどの程度可能である のかという問題が提起された。さらにオランザピン事件は、個々の化学物質に対する新規性について の判断が連邦最高裁判所により明らかにされたとともに、ヨーロッパ特許庁の審判部の判例と概して 調和することになったという意味でも注目される。 |