「知財管理」誌

Vol.60 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 60巻(2010年) / 12号 / 1933頁
論文区分 論説
論文名 プロダクト・バイ・プロセス・クレームの権利範囲の解釈についての考察――最近の日米の判決例に基づいて――
著者 板井 典子
抄録 プロダクト・バイ・プロセス・クレームの権利範囲についての米国のCAFC判決には、ク
レーム記載の製法で製造された物に限定されると解釈した判決(限定説)と、限定されないと解釈し
た判決(同一性説)があったが、CAFCは、2009年5月18日に大法廷(en banc)でこの点について
審理し、限定説に立つ統一的解釈を示した(Abbott Laboratories v. Sandoz, Inc.(Fed. Cir. 2009))。
他方、日本では、プロダクト・バイ・プロセス・クレームの権利範囲は、製法に限定されず、物が
同一である限り権利が及ぶとの同一性説が通説といわれてきたが、原則論として限定説に立つ判決例
も現れており、今後注目される論点の一つであると思われる。
本稿は、上記CAFC判決および日本の最近の下級審判決例を検討し、日米の比較とともにプロダク
ト・バイ・プロセス・クレームの権利範囲の解釈についての考察を試みるものである。
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