「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 11号 / 1879頁 |
論文区分 | 資料 |
論文名 | 抽象的アイディアゆえ,特許の対象とならないと判断した連邦最高裁判所Bilski判決 |
著者 | 西 美友加 |
抄録 | 2010年6月28日、連邦最高裁判所(Supreme Court of the United States)は、エネルギー 市場における価格変動リスクヘッジ手段というビジネス手法につき、特許の対象を定めた米国特許法 101条規定の「方法(process)」に文言上含まれるが、確立された最高裁判例上特許対象から除外さ れるべき「(その実施の専有を認め得ない)抽象的アイディア(abstract idea)」に該当すると判断し た(Bilski事件)。本判決は、請求に係る方法が機械との結合又は物質の変換を伴うものか否かは、重 要且つ有用な一判断要素ではあるが、唯一の判断基準ではないとして、ビジネス手法の特許対象性を 機械又は変換テストによって一律に画することを否定し、他方、如何なる場合が、その実施の専有を 認め得ない抽象的アイディアとして特許対象から除外されるかにつき、最高裁判例をあげて具体的に 説明しており、一定の指針を示している。 |