「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 11号 / 1861頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.385) |
論文名 | No.385 29条の2における発明の同一性の判断 |
著者 | 黒田敏朗 |
抄録 | 本件は、拡大先願違反を理由になされた拒絶査定に対する審決取消請求事件であり、化学 物質の発明に関して、29条の2における発明の同一性の判断が争点となった事件である。裁判所は、 化学物質の発明の成立性のための要件を示したうえで、化学物質に関する発明が先願明細書等に記載 されていると認められるか否かを判断する場合には、進歩性の判断とは異なるから、公知技術を安易 に参酌して先願明細書等の記載を補充するのは相当ではないと判示している。本稿では、本判決を紹 介し、29条の2における発明の同一性の判断について考察するとともに、同じく発明の同一性判断が 問題となり得る新規性、先後願等についても裁判例を示しつつ俯瞰する。 |