「知財管理」誌

Vol.60 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 60巻(2010年) / 10号 / 1727頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No.384)
論文名 No.384 商標法第4条第1項第15号「混同を生ずるおそれ」の該当性と著名商標の保護についての一考察
著者 冨井美希
抄録 本事案は、原告Xが商品「清涼飲料」について「pino+/ピノプラス」の商標登録を受け
たところ、商品「菓子及びパン」(使用商品は「アイスクリーム」)について著名な商標「ピノ/pino」
「pino(ロゴ)ピノ」を有する申立人Aが異議を申し立て、特許庁が原告の商標登録を取り消す旨の決
定をしたため、原告がその取消しを求めた事案である。知財高裁は商標法4条1項15号の該当性を認
め、取消決定を維持した。本判決は、著名商標の保護を強化してきた最近の裁判所実務の傾向を継承
したものであるが、商標の類似性及び商品の共通性の判断、また、いわゆる広義の混同の判断におい
て、今後の参考になる興味深い判示がなされている。著名商標を防衛する立場、著名商標を有する企
業から攻撃を受ける立場の双方から、実務担当者として留意すべき点について考察を加える。
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