「知財管理」誌
Vol.60 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 60巻(2010年) / 10号 / 1617頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 実践コミュニティとしての日本知的財産協会 |
著者 | 松尾 睦 |
抄録 | 本稿の主な目的は、知的財産に関する実践知の創造を担ってきた日本知的財産協会 (JIPA)の活動を、組織学習と実践コミュニティの観点から分析し、知識創造や人材育成のプロセス を明らかにすることにある。分析の結果、JIPAでは、1)非政府・非営利の理念が自由なコミュニ ケーション風土を生み、2)そうした理念や風土が、高い志を持った有能な中核メンバーを惹きつけ、 3)彼らが知財に関する有用な実践知を獲得し、4)生み出された実践知は、会誌・資料・研修を通 して形式知化された上で移転され、5)定期的に理事や委員長が交代することで実践知が修正・棄却 される、というサイクルが存在することが明らかになった。JIPAは、こうしたサイクルを通して、 知識創造や人材育成を促進していると考えられる。なお、本稿では、JIPAが抱える問題点、および 今後の研究課題についても検討した。 |