「知財管理」誌
Vol.58 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 58巻(2008年) / 6号 / 703頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | KSR判決後のANDA訴訟―医薬化合物および組成物についての自明性判断の変遷― |
著者 | アダム・サマンスキー、梅室淳 |
抄録 | 2007年4月、合衆国最高裁判所はKSR International Co. v. Teleflex、 Inc.、 127 S. Ct. 1727(2007)において、所謂TSMテスト(Teaching Suggestion Motivation test、「教示、示唆、動機づけ」テスト)の「硬直的で義務的な」適用を認めないとの判決を下した。この判決をその直後から分析した者の多くが、KSRの最高裁判決が医薬品関連分野における自明性の判断に大規模な変化をもたらすであろうとの見通しを示した。KSR事件およびKSR事件後に連邦巡回控訴裁判所(CAFC)が行った最近の判決を詳細に分析すると、合衆国最高裁は自明性のテストを確かに明確にしたこと、しかしながら判決の分析者達から示唆されたような過激な見直しには至らなかったことが確認できる。医薬品特許に関してはKSRの意義に関する訴訟の数が増えることもあろうが、自明性を問う審理の核心に変更はない。 |