「知財管理」誌

Vol.58 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 58巻(2008年) / 5号 / 625頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No.351)
論文名 No.351 「取引実情」を考慮した指定商品に関する検討・考察―「腸能力」審決取消請求訴訟事件―
著者 廣田美穂
抄録 本判決は、特許庁「類似商品・役務審査基準」において非類似と「推定」されている商品同士を、「取引実情」に基づき類似と認定した事案である。
「取引実情」を参酌して指定商品の概念・類似範囲の認定を行い「類似商品・役務審査基準」の「推定」を覆した審決・判決は過去にも多数ある。また、平成19年改訂「商標審査基準」においても、極めて限定的ではあるが、審査段階において「取引実情」に関する資料が参酌され得ることが明記された。今後の長期的な傾向としては、商品の概念・類似範囲の認定における「取引実情」の重要性が増すものと考えられる。その一方、「取引実情」は変化するものであり、ある時点の「取引実情」のみによって画一的・確定的に決定されるものではない。
そこで、本稿では、本判決を題材として用いつつ、商標案が示された出願前から登録後の各段階において、主として「取引実情」の観点から、商品に関して検討・考察すべき事項を取り上げる。
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