「知財管理」誌
Vol.58 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 58巻(2008年) / 4号 / 519頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.350) |
論文名 | No.350 契約の拘束力が争点となった事例 |
著者 | 松本司 |
抄録 | 被告は、原告が開発した2剤混合の用事調整型CO2含有粘性組成物製剤の製造につき受託を受け、これを原告に納入していたところ、原告は製造委託契約に違反した被告に対して該契約に基づき、被告の第三者への該製剤の製造販売の差止、損害賠償を請求した事案において、被告は該契約は錯誤により締結したものであり、また公序良俗違反(独禁法違反)であるから無効であると主張したが、いずれの主張も排斥された事例である。契約締結交渉時に相手方を説得するためには合理的な根拠が必要な場合もあるが、両当事者が納得して契約を締結すれば、合理的な根拠とは関係なく両当事者は該契約条項に拘束されるのが原則であって、無効事由等よほどのことがない限り、その拘束力を否定することはできない。 |