「知財管理」誌
Vol.58 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 58巻(2008年) / 4号 / 461頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 産学連携における知的財産の効果的実用化スキーム構築へ向けた試行―組織対応型連携の仕組みを利用した試薬の迅速な製品化― |
著者 | 伊藤範之、山内恒、古川勝彦 |
抄録 | 九州大学では、某試薬メーカーとの組織対応型(包括的)連携契約の下、教員の研究シーズ(新規化合物)を迅速かつ効果的に実用化するための新しいスキームの構築を試みている。本スキームの特徴は、大学の研究シーズを権利化・実用化する際に必要な目利き機能、技術インキュベーション機能等を連携企業にお願いしていることである。企業と大学が有するそれぞれの機能を活かし、大学で生まれた知的財産の活用度を最大化することが本連携の目的である。このような継続的な連携を構築し、連携企業の協力を仰ぐには、何よりまずお互いの信頼関係を崩さないことが大前提である。そのためには、連携により受けるお互いのメリットやリスクのバランスを取り、Win-Winの関係を常に保つことが重要である。実際この約2年間の連携期間において13案件について検討を行い、その内、5案件が製品化に向けた実用化フェーズに入っている。 |