「知財管理」誌
Vol.58 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 58巻(2008年) / 2号 / 191頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 商品の立体的形状のみからなる商標の登録要件判断の基準の行方―ミニマグライト判決考― |
著者 | 光野文子 |
抄録 | 立体商標制度の導入から10年が経過し、「ひよこ」判決や「ミニマグライト」判決等と立体商標について、昨年、本年と注目すべき判決が続いている。その中で商品の立体的形状のみからなる商標については、ユーザー側と特許庁(裁判所)との間で、保護対象の認識が乖離していると感じていた。 特に商品の立体的形状のみからなる商標についての「使用による識別力」については、その同一性の判断が「画一的」であり、「使用による識別力を獲得したこと」を立証することは不可能ではないかという思いもあった。 しかしながら、「ミニマグライト判決」では、従来の画一的とも思える判断から、主張された使用状況を分析し「文字標章」が付された使用商標によって出願商標の識別力を認める判断をしたことで、従来とは異なる「流れ」ができたのではないか。 本稿では、この「ミニマグライト判決」を手がかりに「商品の立体的形状のみからなる商標」の現状と今後について検討する。 |